【一般講演】リサイクル/鉱物処理

[2506-17-08] ビスアミノメチルシクロヘキサンを用いた塩酸溶液からの白金高選択沈殿回収

○松本 和也¹、坂本 隆¹、片桐 洋史²、寺境 光俊¹ (1. 秋田大学、2. 山形大学)

司会：吉村彰大（千葉大学)

キーワード：白金族金属、白金、沈殿回収、第一級アミン、自動車排ガス浄化触媒

白金族金属は産業上重要な金属であり，自動車排ガス浄化触媒としてパラジウム，白金，ロジウムが用いられている。使用済み触媒等から金属をリサイクルする際には，特定の金属を選択的に分離回収することが求められるが，白金はパラジウムに優先して選択的に回収することが困難である。本研究では，脂肪族第一級ジアミンである1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン（トランス体，1,4-BACT）を沈殿剤として用い，金属含有塩酸溶液からの白金選択回収について検討を行った。パラジウム，白金，ロジウムを含む塩酸溶液に1,4-BACTを加えて振とうすることにより，白金のみを沈殿として回収することに成功した。白金選択回収は，1 Mから8 Mの広い塩酸濃度範囲で達成され，また，沈殿形成は10分程度の短時間で完了することが判明した。さらに，使用済み自動車排ガス浄化触媒の塩酸浸出液からも白金を高選択的に沈殿として回収することが可能であった。白金含有沈殿物を詳細に分析したところ，白金塩化物錯アニオンとプロトン化した1,4-BACTからなるイオン結晶であることが明らかとなった。