資源・素材2022(福岡)

講演情報(2022年7月27日付 確定版)

企画講演

【企画講演】‐素材部門委員会・粉体精製工学部門委員会連携企画‐カーボンニュートラルに貢献するリサイクル前処理技術の展望

2022年9月8日(木) 13:00 〜 14:35 第2会場 (A12)

司会:宇田哲也(京都大学)

13:00 〜 13:30

[3205-07-01] 低温加熱等によるリサイクル製錬原料の高品質化技術の開発

○田畑 奨太1、榊原 泰佑2 (1. DOWAエコシステム株式会社、2. 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

司会:宇田哲也(京都大学)

キーワード:電子基板、製錬忌避元素、物理選別、二酸化炭素、リサイクル

近年、国内銅製錬所におけるリサイクル原料の処理量は増加傾向にあるが、それらは銅精鉱とは異なり、熔錬や電解の各工程に悪影響を及ぼす不純物(以下、製錬忌避元素)を多く含むため、その処理量の増加には制限がある。本研究開発は、廃電子基板を対象とした製錬忌避元素除去の前処理技術を開発し、銅製錬におけるリサイクル原料比率の更なる向上を図ることを目的とした。低温加熱により廃電子基板から形状を維持したままの素子を剥離し、その後種々の物理選別の組み合わせにより製錬忌避元素を可能な限り分離・除去する前処理プロセスを構築した。加えて、回収産物の供給先として銅製錬のみならず鉛製錬等も考慮した複数の選別パターンを検討した。選別プラント導入を仮定した経済性評価において、いずれの選別パターンにおいても選別プラント導入は経済的メリットがあり、鉛製錬等も活用することで経済的により有利に働くと試算できた。またリサイクル原料として選別処理後の電子基板を製錬工程に投入することは、二酸化炭素排出量削減の観点でも利点があることが明らかとなり、本研究開発の前処理技術が銅製錬におけるリサイクル原料比率向上に資することを確認した。

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