【一般講演】 環境

[1K0414-19-02] 安定同位体鉄を用いたヘマタイト添加法におけるスコロダイト生成機構の調査 －種々の溶液条件による検討－

○柴田 悦郎¹、飯塚 淳¹、安達 謙¹ (1. 東北大学)

司会：菅原 一輝（北九州市立大学）

キーワード：スコロダイト、ヒ素、ヘマタイト、安定同位体

本研究は、ヘマタイト添加によるスコロダイト合成において溶液中Fe(II)の役割を解明することを目的としている。As(V)含有の硫酸第一鉄（Fe(II)SO₄）溶液に温度や溶液組成など適切な条件下でヘマタイト（Fe(III)₂O₃）粉末を添加すると、Fe(II)を含むゲル状前駆体を経てスコロダイト（Fe(III)AsO₄・2H₂O）結晶粒子が生成する。既往の研究では、溶液中のFe(II)の一部をトレーサーである安定同位体鉄（⁵⁴Fe）に置き換えてスコロダイト合成を行い、スコロダイト結晶中のFe(III)の由来を定量的に評価することで、スコロダイト結晶生成においてFe(II)とFe(III)間の電子交換が重要な役割を果たしていると示唆することが出来た。本報告では、溶液のFe(II)濃度や温度、pHを変えて安定同位体鉄（⁵⁴Fe）を添加したスコロダイト合成実験を行い、スコロダイト結晶中のFe(III)の由来の定量的評価を明確化し、かつスコロダイト結晶の生成機構の再確認を行った。