一般社団法人資源・素材学会 2023年度 春季大会

講演情報(2023年2月3日付 確定版)

企画講演

【企画講演】 資源探査に関する研究の動向と大規模データプロセッシング

2023年3月14日(火) 09:00 〜 11:35 第2会場 (6号館 1階 615)

司会:久保 大樹(京都大学),木崎 彰久(秋田大学)

10:35 〜 10:55

[2K0201-07-05] (学生発表:修士課程) 鉱石試料分析に基づく日本の熱水鉱床の元素濃度の特徴抽出

○江夏 道晴1、小池 克明1、柏谷 公希1 (1. 京都大学)

司会:木崎 彰久(秋田大学)

キーワード:熱水性鉱床、主成分分析、REEパターン、流体包有物、鉱物組成

日本にはかつて多数の金属鉱山が存在しており、多種多様な鉱石が採掘されていた。これらの鉱石を分析し、鉱床タイプと金属元素濃度特性の関係を理解できれば、世界における同じタイプの金属鉱床の探査や開発への利用が期待できる。そこで本研究では、日本の熱水鉱床における元素濃集の一般的な法則を、多変量解析を用いて抽出し、その要因について地球化学的な解釈を行うことを目的とした。京都大学総合博物館所有の合計94鉱山における鉱石試料を対象とし、XRFによる主要元素、ICP-MSによる微量元素の濃度データを用いて主成分分析を行った。なお、定数和制約を解消するため、主成分分析には熱水変質の際に移動しにくいと考えられるAlとの対数比変換を施したデータを用いた。分析の結果、第1主成分から第4主成分までで約60%の累積寄与率が得られ、第一主成分は酸性熱水による変質に関する指標、第二主成分は石英脈の生成に関連した元素移動を表す指標と解釈した。さらに、XRDによる鉱物組成データ、希土類元素分析、顕微鏡観察、流体包有物分析による捕獲温度の推定を組み合わせ、元素濃集をもたらした要因を多角的に考察した。

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