一般社団法人資源・素材学会 2023年度 春季大会

講演情報(2023年2月3日付 確定版)

企画講演

【企画講演】 招請講演:日本鉱業協会 現場担当者会議,日本メタル経済研究所 調査研究成果報告会より(環境・リサイクリング分野)

2023年3月15日(水) 10:30 〜 12:00 第3会場 (6号館 2階 621)

司会:芳賀 一寿(秋田大学)

11:30 〜 12:00

[3K0304-06-03] アタカマコーザン浮選プラントにおける金の回収改善検討

○斉藤 瑞稀1、蛭子 陽介1、三觜 幸平1、川﨑 尭2 (1. 日鉄鉱業株式会社、2. アタカマコーザン鉱山特約会社)

司会:芳賀 一寿(秋田大学)

キーワード:浮遊選鉱、二次捕収剤、マイクロバブル、金回収

アタカマコーザン鉱山の浮選プラントでは、銅に比べ貴金属元素の回収率は低く、改善の余地があることから、特に金について、回収率向上のための検討を行った。
 事前調査として行った、プラントのマテリアルバランス解析と浮選産物のMLA解析の結果から、金鉱物であるエレクトラムの黄鉄鉱片刃粒子および単体粒子をターゲットとして、回収の方策を立てラボスケールの試験を実施した。
 粗選では金の回収のための二次捕収剤の添加検討を行い、精選ではカラム試験機を用いてマイクロバブルの導入、二次捕収剤添加、pH低下の検討を行った。さらに、これらの結果をプラントに適用した際の効果をシミュレーションにて計算した。粗選試験では、銅用の一次捕収剤と混合チオリン酸系の二次捕収剤の併用によって金の実収率が向上し、精選試験ではマイクロバブルの導入、混合チオリン酸系二次捕収剤の使用、pH低下の3条件を組み合わせることで最も高い金実収率が得られた。また、シミュレーションにより、粗選での二次捕収剤の使用と精選での上記3条件の適用により、プラントでの金の最終実収率が、従来に比べ8.1pt.向上するという計算結果が得られた。

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