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[3K0301-09-02] 大久保長安の伊豆銀山
司会:中西 哲也(九州大学)
キーワード:伊豆半島、金山、銀山、大久保長安、慶長期
伊豆半島には、第四紀の火山に関係した多くの淺熱水金銀鉱床がある。昭和期にはこれらの鉱脈を稼行する金鉱山が多数あり、伊豆半島は近代日本の主要な産金地の一つとなった。一方、江戸時代の中後期の書物には、大久保長安が関わったとする伊豆の盛んな産金の伝承が残されている。しかし、大久保長安が伊豆の鉱山を支配した、1606年(慶長11)〜1613年(慶長18) の時期の文書は、ほとんど知られていなかった。1968年に刊行された小葉田淳著『日本鉱山史の研究』の記述は、「伊豆金山と称したのは、土肥・縄地等の金山であろうが、慶長十一年ころ多量の銀を産したらしく、繁栄は極めて短期間で、当時の記録には伊豆銀山とも書かれている。」という僅か2行である。その後、1987年に大野瑞男「大久保長安の新史料」が発表され、そこに紹介されている長安の書状から、縄地銀山を中心とする伊豆の鉱山の姿が見えてきた。しかし、慶長期の銀山が、その後に金山と伝承されたのはなぜか。そこには、慶長期以前の銀の時代から、元和期以降の金が重要になる時代へと、日本の鉱業が変化したことが関係している。
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