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[1212-16-04] クローズドループ地熱発電における地熱抽出量に与える坑井近傍岩盤の熱伝導率向上効果の検討
司会:福田 大祐(北海道大学)
キーワード:クローズドループ地熱発電、熱伝導率向上、地熱抽出量、数値計算
脱炭素化に向け、発電における再生可能エネルギーへの転換が求められる中、地熱発電は依然として利用の余地が大きい。地熱発電の問題点は、熱源及び地下水系を含む地熱貯留層が必要であり、発電可能なサイトが限られていることである。この問題を解決する方法として、熱源さえあれば発電が可能となるクローズドループ地熱発電が提案されている。しかし、この方法は、単位抽熱区間長さ当たりの地熱抽出量が小さいため、坑井掘削コストが膨らむという問題がある。そこで、本研究では、クローズドループ地熱発電において、坑井近傍岩盤の熱伝導率を向上させることによる掘削コスト削減の可能性を数値計算により検討した。具体的には、坑井及びその周りの一定領域の高温岩盤をモデル化し、坑井近傍岩盤の熱伝導率の増加量と地熱抽出量の増加量の関係を有限要素法解析により検討した。その結果、坑井近傍岩盤の熱伝導率を向上させることで、単位抽熱区間長さ当たりの地熱抽出量を増大させることが可能となり、それにより、坑井の掘削長を削減し、掘削コストを低減できる可能性が示唆された。
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