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[3K0303-07-04] 焙焼原料変化に伴う熱・ガス流体解析を用いた廃熱ボイラーの改造
司会:中村 健作(JX金属株式会社)
キーワード:流動焙焼炉、亜鉛製錬、流体解析、廃熱ボイラー
大型鉱山の閉山や新規鉱山開発の減少により、粒度50μmに満たない微粉鉱化率が上昇し、焙焼炉からのガスと共に随伴するダストの割合が増加していた。当社のマルチパスボイラーは高効率の熱回収が可能である一方、構造上局部的な流速の低下を招き閉塞しやすい特性を有している。これらの要因により、近年はボイラー内へのダスト付着・固着が顕著となり、ガス流れの阻害による蒸気回収効率の低下や操業停止リスクが懸念されていた。特に高温領域における塩基性硫酸亜鉛の生成がボイラーダスト除去の困難さ、ひいては閉塞リスクに大きく影響していた。温度依存性を伴う塩基性硫酸亜鉛の抑止にはボイラー内の温度分布の把握と評価が必要であり、シミュレーション計算を用いて解析を実施した。解析結果から、塩基性硫酸亜鉛の生成温度領域が広範囲に及んでいることが判明した。また、ガス速度解析により偏流が大きく生じていることが分かり、特に水冷壁入口での偏流が顕著であった。以上から伝熱効率が悪化による冷却不足発生が原因であると判断し、設備改造を実施した。本報告でのボイラー設備の改善により、ダスト除去作業の負荷軽減と長期連続操業が可能となった。
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