The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Presentation information

Oral presentation

[A] Control methods (physical, chemical, other)

Fri. Mar 29, 2024 1:30 PM - 5:00 PM Site A (Tachibana)

1:45 PM - 2:00 PM

[A-12] 津堅島におけるアリモドキゾウムシの再発生に対する防除の現状と課題

◯Tsunaki Ando1, Dai Haraguchi1, Yusuke Ikegawa1,2 (1. Okinawa Prefectural Government, 2. Ryukyu Sankei)

アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)は熱帯,亜熱帯を中心に広く分布し,産卵された幼虫がサツマイモやエンサイなどに寄生・食害して被害を及ぼす重要な害虫である.国内ではトカラ列島以南の南西諸島及び小笠原諸島に分布する.
 沖縄県は2007年から津堅島において雄除去法と不妊虫放飼法を用いた根絶事業に着手し,2021年4月,津堅島のアリモドキゾウムシの根絶を達成した.甲虫類の広域根絶防除の成功事例としては,2013年の久米島での本虫の根絶に続く世界2例目であった.
 津堅島では根絶後も再侵入警戒のための調査等を行っていたが,2023年7月に津堅島に設置しているイモゾウムシ用ライトトラップで雌成虫1頭が確認され,島内での再発生が確実となった.そこで,捕獲したライトトラップを中心とした半径500m内外のサツマイモやノアサガオなど寄主植物を調査して発生地点を特定し,寄主植物除去や不妊虫放飼による防除を実施した.これらの対処により,再発生は集落内のごく一部に抑え込んでおり,早期の再根絶に向けた対応を継続している.本講演では,現在の防除状況の報告と今後の再侵入対策について報告する.