日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[A] 防除(物理的・化学的・その他)

2024年3月29日(金) 13:30 〜 17:00 A会場 (橘)

14:15 〜 14:30

[A-14] 新規浸透移行性殺虫剤ジンプロピリダズ(アクサリオン®)の効果特性

◯大川 純司1、竹田 遼1、郡嶋 浩志1、加藤 良晃1、Hodges Desirée2、吉永 英樹3、樋口 聡志4 (1. BASFジャパン株式会社、2. BASF Corporation、3. 熊本県農業研究センター、4. 熊本県農林水産部)

ジンプロピリダズ(有効成分通称名:アクサリオン®)はBASF社が開発した新規作用機構(IRAC分類グループ36)の殺虫成分であり、アブラムシ類やコナジラミ類のようなカメムシ目害虫に対して高い効果を発揮する。本発表では本剤の効果特性である茎葉処理効果による浸達性、根からの浸透移行性、効果発現速度および作物へのウィルス感染抑制効果について報告する。 
 浸達性試験では、本剤を葉表に散布したキャベツ葉裏にモモアカアブラムシを放虫した結果、死虫率100%の高い防除効果が確認された。浸透移行性試験では、本剤希釈液をトマト苗定植時に株当り50ml処理した結果、タバココナジラミに対し、無処理区と比較し高い防除効果が確認された。またEPGsによる効果発現速度試験では、本剤を処理した対象害虫で速やかな吸汁行動抑制が確認された。さらにタバココナジラミを対象としたトマトの圃場試験では、TYLCVへの感染率の減少が確認され、本剤による高い吸汁抑制効果が示唆される結果が認められた。