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[A-18] 脂肪酸グリセリドの混用によるアシノナピル水和剤の殺ダニ効果の向上
イチゴのナミハダニは薬剤抵抗性の発達が著しく、効果が期待できる殺ダニ剤は限られている。一方、天敵を利用したIPM体系においても殺ダニ剤の併用は必要であり、栽培期間も長いため、既存の薬剤を有効に活用する方法が求められる。脂肪酸グリセリドはピフルブミドやスピノサドと混用することで、殺ダニ効果が向上することが報告されていることから、本県のイチゴで使用される数種殺ダニ剤と本剤との混用処理の効果を検討した。生産現地では今後も更なる抵抗性の発達が懸念されることから、供試虫はバラで採集した解毒活性に優れるナミハダニ個体群とした。供試した殺ダニ剤はいずれも単用での殺ダニ効果は非常に低かったにもかかわらず、ピフルブミド水和剤とアシノナピル水和剤では、脂肪酸グリセリド乳剤との混用による殺虫効果の向上が認められた。エマメクチン安息香酸塩乳剤、フェンピロキシメート水和剤、ビフェナゼート水和剤では同様の効果は認められなかった。このうち、殺虫効果の向上が顕著であったアシノナピル水和剤について、圃場における混用処理の効果を検討した。本講演では、その他の気門封鎖剤や展着剤とアシノナビル水和剤の混用処理による効果も調査したため併せて報告する。