16:45 〜 17:00
[A-24] 青色LED照射によるダイズのマメシンクイガ被害抑制効果
近年、ダイズを中心とした有機畑作は輪作体系や除草法が確立されつつあり急速に拡大しているが、ダイズ子実を加害するマメシンクイガの防除手段がなく、栽培の障害となっている。本種成虫は明暗が切替わる直前~直後に活動期を持ち、主に明暗が切替わる光の刺激により行動リズムを形成する。恒明条件下では行動リズムを喪失し活動量が減少することから、光照射により繁殖行動に影響が生じ次世代幼虫密度が低下する可能性が示唆された。このためダイズ圃場においてマメシンクイガ成虫活動期間に青(ピーク波長448、450、454、458、468nm)、緑(525nm)、黄(585nm)LEDをそれぞれ照射し、無処理区と被害粒率を比較した。その結果、短波長の青LED(448~458nm)で顕著な被害抑制効果が認められた。なお、深夜数時間の照射や1時間ごとに点灯/消灯する照射方法では効果が認められなかった。また、これらの青LED照射がカメムシ類など他害虫によるダイズ子実の加害を助長することはなく、10ルクスを超える高照度条件下を除きダイズ生育や成熟期への影響も認められなかった。本試験で用いた青LEDは主に電飾用であるため、今後は波長・照度・配光角などが圃場照射用に最適化された防除専用LEDの開発が必要である。