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[A-25] ネット被覆によるクビアカツヤカミキリの成虫拡散阻止効果の検証
徳島県ではクビアカツヤカミキリのモモへの加害がこれまで2市2町で確認され、薬剤防除に加え、成虫・幼虫の捕殺、被害樹の伐採処分等の対策を進めてきた。しかし、防除適期とされる成虫発生期は収穫期と重複し、防除が手薄になってしまうことから、収穫期の前に施用できる防除技術の開発が望まれる。その一つとして、樹へのネット被覆による成虫の拡散阻止効果を、室内実験及び生産現場(モモ園)での実証試験で検証した。室内実験では各種資材の成虫による損傷等を調査した結果、廃漁網とクビアカガードネット(日本ワイドクロス社製)を二重被覆した場合には、いずれも切断までには至らなかった。現場実証ではその2資材に加え、サンサンネットソフライトSL3303(日本ワイドクロス社製)を収穫期前にそれぞれ樹にらせん状に被覆した。その結果、いずれも収穫後まで成虫脱出をほぼ抑え、高い拡散阻止効果を示した。この場合、被覆に要する時間と費用は廃漁網<サンサンネット≒クビアカガードネットとなり、作業効率とコストの両面で廃漁網が優れた。なお、本研究はイノベーション創出強化研究推進事業(JPJ007097)の支援を受けて実施した。