日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[A] 防除(物理的・化学的・その他)

2024年3月30日(土) 09:00 〜 11:30 A会場 (橘)

09:45 〜 10:00

[A-28] クサギカメムシ用トラップShidoTrapを用いた茨城県と岩手県におけるカメムシの捕獲状況

◯上地 奈美1、高梨 琢磨2 (1. 農研機構・植防研、2. 森林総研・東北支所)

Shindo Trapは、CBC社Agroelectronics部門(イタリア)が開発した、フェロモンルアーによる誘引にクサギカメムシ雌成虫の発する誘引振動信号を組み合わせて捕獲効率向上を狙ったトラップである。ヨーロッパで害虫化している本種の効率的なトラップとして開発された(Zapponiら2023)。日本販売前の本機を購入する機会を得たため、国内の本種に対する効果を検証した。2023年9月中旬から10月にかけて、茨城県かすみがうら市と岩手県盛岡市にトラップを2台ずつ用意した。付属のルアーを取り付け、1台は設定通りの加振を行い、もう1台は装置内の配線を外して無加振で設置して、約1週間毎にカメムシを回収し、加振と無加振を交替した。その結果、加振トラップのカメムシ捕獲数が、無加振のものよりも多い傾向が認められ、日本のクサギカメムシに対しても振動の効果があることが示唆された。また、チャバネアオカメムシやツヤアオカメムシも捕獲された。