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[A-32] おとり植物と忌避剤、気門封鎖剤を組み合わせたイチゴのアザミウマ類防除体系について
山口県内のイチゴ産地においては,アザミウマ類の薬剤抵抗性が発達しており,化学農薬の散布だけでは防除が困難になっていることから,新たな防除技術が求められている.2021年に害虫に対する忌避効果のある植物ホルモンであるプロヒドジャスモン液剤の散布試験を行ったところ,アザミウマ類の発生を無処理より7日程度遅らせる事ができたが,効果的な防除とするには成虫の定着抑制が必要と考えられた.そこで,施設内にアザミウマ類を誘引するおとり植物を設置し,気門封鎖剤をプロヒドジャスモン液剤と混用散布する防除体系を検討した.試験は2023年4~5月にセンター内の施設で行い,おとり植物としてバーベナとノースポール,気門封鎖剤としてグリセリンクエン酸脂肪酸エステル乳剤をプロヒドジャスモン液剤と混用して供試した.その結果,おとり植物としてはノースポールよりバーベナの効果が高く,イチゴ上のアザミウマ類成虫密度は無処理の約4割,幼虫はほぼ完全に抑える事ができた.今後は規模を大きくした試験で効果を再確認すると同時に,おとり植物でのアザミウマ類の増殖を抑制する方法について検討する.