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[A-42] 昆虫共生細菌ゲノム解析におけるシングルセル技術の有効性について
最近の、ロングリードシーケンサーを始めとしたゲノム配列取得技術やアセンブルなどの情報解析技術の進歩には目覚ましいものがあり、これまで手を出すことが難しかった対象についても様々な解析が可能になってきている。産総研・早大生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリでは、特に微小液滴を用いたシングルセル技術によるゲノム解析を得意とし、早大で開発・改良されてきたサンプル取得技術および情報解析技術を用いて、様々な環境・生体サンプルを対象として研究を行ってきた。例えば、昆虫共生細菌においては、宿主体内での存在量が極めて少なかったり、近縁な複数系統の共生細菌が共在かつ分離困難な場合、必要量のゲノムDNA調製やゲノム取得後のアセンブルが不可能であった。このようなケースでは、一細胞単位で細菌を微小液滴に封入後、全ゲノム増幅とゲノム解析を行うシングルセル解析が極めて有効である。今回は、当ラボにおけるシングルセル技術を用いた昆虫共生細菌のゲノム解析の事例を紹介し、その有効性と課題について議論したい。