日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[B] 分類・形態・組織

2024年3月29日(金) 09:00 〜 11:30 B会場 (萩)

09:30 〜 09:45

[B-03] ヒメツマオレガDryadaula epischista (ヒロズコガ上科・マメヒロズコガ科)に外観が類似した未記載種

◯朴 鎮亨1、屋宜 禎央1、広渡 俊哉1 (1. 九州大学 昆虫学研究室)

Dryadaula属はヒロズコガ上科マメヒロズコガ科Dryadaulidaeに属し、世界から50種が記録されている(Lee et al. 2023)。日本からは、ヒメツマオレガD. epischista (Meyrick, 1936)とマメヒロズコガD. trapezoides (Meyrick, 1935)の2種が記録されている(坂井 2013)。本属にはよく似た外観をもつ種が複数含まれており、多くの未記載種の存在が示唆されている(Robinson & Nielsen 1996)。演者らは国内における本属の種多様性について調査を進める過程で、ヒメツマオレガに似た外観をもつがまったく異なる交尾器形態をもつ未記載種 Dryadaula sp.1を確認した。本種の国内における分布域を明らかにするとともに、さらなる隠蔽種を探索することを目的に、日本産Dryadaula属を対象とした形態の比較・DNAバーコード領域の解析を行った。その結果、sp.1は本州・九州に分布することが明らかになった。また、本州にはsp.1の他に1未記載種が、南西諸島に4未記載種が分布することが明らかになった。本講演では、これらDryadaula属の未記載種について現在得られている分類学的知見を紹介する。