日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[B] 分類・形態・組織

2024年3月29日(金) 09:00 〜 11:30 B会場 (萩)

09:45 〜 10:00

[B-04] トチノキを利用するCameraria属(鱗翅目:ホソガ科)1未記載種および同属内でのムクロジ科植物利用の進化的背景に関する研究

◯澤田 昌恭1、吉澤 和徳1、大島 一正2 (1. 北大・農・昆虫体系、2. 京都府大・院生命環境)

Cameraria属(鱗翅目:ホソガ科:キンモンホソガ亜科)は84種からなる潜葉性蛾類のグループである.新北区を中心とした温帯域に生息し,日本からは3既記載種のほかに複数の未記載種が知られている.そのうちの一種Cameraria sp.はトチノキ(ムクロジ科:トチノキ属)を寄主とする.また,同属植物を寄主利用するCameraria属昆虫は他にヨーロッパに1種,北米に1種が存在する.近縁な寄主植物を利用する植食性昆虫は近縁である可能性が高いが,トチノキ属を利用し且つ地理的に離れて分布するそれらの3種は互いに近縁なのだろうか?本発表ではCameraria sp.を分類学的に検討するとともに,カエデ属(ムクロジ科)を寄主利用する種も含めた系統解析を通して,Cameraria属内でのムクロジ科植物利用の進化史を議論する.