日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[B] 分類・形態・組織

2024年3月29日(金) 09:00 〜 11:30 B会場 (萩)

10:00 〜 10:15

[B-05] 宮野(2022)で報告されたハビロキバガ亜科(チョウ目:エグリキバガ科)3種の分類学的研究

◯荒島 彈1、屋宜 禎央2、広渡 俊哉2、外村 俊輔3、奥 尉平 (1. 九大院・生資環・昆虫、2. 九大院・農・昆虫、3. 徳島県立博物館)

エグリキバガ科ハビロキバガ亜科は幅広い翅をもつ蛾で、世界から200種程度、国内からは3属9種が記録されている。このうちScythropiodes属について、宮野(2022)で3未同定種が報告されたが、これらの雄交尾器は本属の特徴である発達したgnathosを持たず、属の所属も含めて検討する必要があった。3種のうちScythropiodes sp. 3は,韓国・台湾産個体に基づきS. sungsookimi Sohn & Wu, 2023として記載されたが、雄交尾器のtranstillaの側方突起をgnathosと誤認しているなど形質の相同性の検討に問題があった。そこで分類学的研究を進めた結果、雌雄交尾器の特徴から3種はOdites属に含めるのが妥当で、残りの2種は未記載種であると判断した。また、多くの種が主に木本植物の葉の広食性である本亜科では珍しく、O. sungsookimiは樹皮を摂食することも明らかになった。