11:15 〜 11:30
[B-10] シマカラスヨトウとオオシマカラスヨトウの識別と北日本における分布の再検討 (チョウ目: ヤガ科)
シマカラスヨトウAmphipyra pyramidea yamaとオオシマカラスヨトウAmphipyra monolitha surniaは,互いに外見がよく似た近縁種で,以前は同一種「シマガラス」として混同されていた (緒方, 1958).また,幼虫は北日本においてリンゴの主要害虫とされ,葉や幼果を食害し新梢を噛み切ることから「シンキリアオムシ」と呼ばれた (奥, 2003).
両種の成虫の識別点は杉 (1982) や枝 (2011) が,幼虫の識別点は山本 (1987) や船越 (1998) が述べているが,どちらも中間的な形質を示す個体が存在し,同定は非常に難しい (Owada, 1996; 河上・杉, 2000).そのため,各種文献で誤同定が散見され,両種の識別法は確立されるに至っていない.
そこで本研究では,両種が混生する北日本を中心に採集調査を行い,得られたサンプルの詳細な形態観察とDNAバーコーディングによって,成虫と幼虫それぞれの識別と分布について再検討した.
本講演では,新たに見つかった同定形質を含む両種の成虫・幼虫の識別点と北日本における正確な分布について述べるとともに,mtDNA COI領域の種内変異について考察する.
両種の成虫の識別点は杉 (1982) や枝 (2011) が,幼虫の識別点は山本 (1987) や船越 (1998) が述べているが,どちらも中間的な形質を示す個体が存在し,同定は非常に難しい (Owada, 1996; 河上・杉, 2000).そのため,各種文献で誤同定が散見され,両種の識別法は確立されるに至っていない.
そこで本研究では,両種が混生する北日本を中心に採集調査を行い,得られたサンプルの詳細な形態観察とDNAバーコーディングによって,成虫と幼虫それぞれの識別と分布について再検討した.
本講演では,新たに見つかった同定形質を含む両種の成虫・幼虫の識別点と北日本における正確な分布について述べるとともに,mtDNA COI領域の種内変異について考察する.