The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Presentation information

Oral presentation

[B] Taxonomy, Morphology, Histology

Fri. Mar 29, 2024 1:30 PM - 6:00 PM Site B (Hagi)

4:00 PM - 4:15 PM

[B-21] 旧世界に産するアシナガバチ亜科のオス交尾器形態とその多様化

Sumire Saku1, ◯Fuki Morooka1 (1. Ibaraki University)

アシナガバチ亜科は汎世界的に分布し、多様な生活史形質を有することから、行動学的・社会生物学的研究の主要な対象とされてきた。一方で、特に旧世界の熱帯域では分類学的整理が遅れているグループもあり、生態学的研究は限られる。アシナガバチ亜科では、メスでは種間の形態的差異が小さく、分類が困難な傾向があるが、オスでは種間に明瞭な差が見られるものの、出現期間は短く、標本が少ないことも分類を困難にしている可能性がある。よって、オスの形態を詳細に記録することは、アシナガバチ亜科の分類学的研究に大きく貢献する。本研究では、旧世界産のアシナガバチ亜科 5属 53種について、オス交尾器形態を詳細に観察した。また、アシナガバチ亜科内の系統関係に照らし、交尾器形態の多様化の傾向を考察した。Parapolybia属は、これまでRopalidia属とともにチビアシナガバチ族されてきたが、交尾器形態はBelonogaster属に類似していた。一方Ropalidia属は、アフリカ産の種においてAedeagus先端が肥大するなど特徴的な形態が見られた。Ropalidia属は、アフリカおよび東南アジアで分断分布するそれぞれのグループで多様な交尾器形態を示している。