日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[B] 分類・形態・組織

2024年3月29日(金) 13:30 〜 18:00 B会場 (萩)

16:45 〜 17:00

[B-24] 日本産カレバラアリ類に近縁と思われるベトナム産の数種について(ハチ目アリ科)

◯松浦 公平1、細石 真吾1、PHAM Hong Thai2 (1. 九州大学、2. ベトナム国立自然史博物館)

カレバラアリ属Carebaraはアリ科フタフシアリ亜科に属し,世界から225種が記載されている.主に熱帯・亜熱帯に分布し,多くの種は地下性で,土中,リター,石下,朽ち木などに生息する.ワーカーには体サイズが異なる二型や多型が見られ,体サイズが大きいワーカーをメジャー,小さいワーカーをマイナーと呼ぶ.本属は,度重なる属の定義の改訂を受けてきた.しかし,いずれの改訂も中南米・アフリカ地域の種の観察に基づき,種多様性の高い地域の一つである東南アジアの種は扱われていない.東南アジアの種も含めた分類体系の再構築が必要であるが,多くの未記載種が存在し,包括的な分類学的研究が非常に少ない.本属の分類学的研究を進めるうえで,高次分類体系の再構築に有効な形質を探索する必要がある.
 演者らは,日本産種に近縁だと思われる未記載種をベトナムから確認した.日本産カレバラアリ属は現在6種知られ,未記載種は形態的特徴からオニコツノアリC. oniに近縁と考えられた.本発表では,日本産種および未記載種が共有する形態について紹介する.