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[B-26] ユーカリ類にゴールを形成するヒメコバチ(ハチ目)の台湾への侵入
Eucalyptus属やCorymbia属(フトモモ科)などのユーカリ類は、オーストラリアやニューギニアを原産とする植物である。台湾では1896年に導入され、街路樹などに利用されてきた。2000年代に入り、ユーカリ類の葉や葉柄に3種類のゴールが発見されるようになった。先行研究により、1種はLeptocybe invasa(ハチ目:ヒメコバチ科)によって形成されたゴールと同定されたが、残りの2種については未同定のままとなっていた。本研究では、残りの2種のゴール形成者の同定を試みるとともに、台湾内における3種ゴール形成者の分布範囲を調査した。予備的な形態観察の結果、未同定に留まっていた2種は、Ophelimus sp.とEpichrysocharis sp.(いずれもヒメコバチ科)であった。さらに詳細にOphelimus sp.の形態的特徴を観察したところ、近縁種とは頭部の表面彫刻や前翅の特徴が異なることから、未記載と考えられた。また、Epichrysocharis sp.はE. burwelliの形態的特徴と一致した。本講演では、分類学的検討の結果とともに、3種ゴール形成者の分布調査の結果を報告する。