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[B-32] ルリクワガタ属の産卵痕の意義とは?-産卵行動の観察と産卵痕の分布-
ルリクワガタ属の雌成虫は腐朽材への産卵時に特徴的な産卵痕を形成する。なぜこのような行動をおこすのか、その意義についてはよく知られてはいない。私たちはこの疑問を解くために、ユキグニコルリクワガタを材料とし、産卵行動の詳細な観察を行い、産卵痕の分布パターンについて解析を行った。産卵行動は明期に集中し、産卵の際、産卵孔の中で菌嚢(マイカンギア)を膨張させ反転させた。この際、菌嚢に保持している微生物を卵の周囲に付着させた可能性が高い。十分に産卵された腐朽材において産卵マークの中心(産卵孔)の分布パターンは、ほとんどの場合有意な一様分布を示し、雌個体が産卵材表面において、一定の間隔を開けて産卵していることが明らかになった。