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[B-55] リンゴ園の送粉サービスに関わるマメコバチの花資源利用実態の解明
ハナバチの採餌行動は、特に農業分野で人類社会に多くの恩恵を与えている。一方、ハナバチ個体群の縮小が世界各地で指摘されている。その要因として、開発や環境劣化による生息地縮小や、集約的農業等による景観の単純化がもたらす花資源の多様性低下が考えられている。花粉の化学組成は植物種間で異なっていることが知られており、餌となる花粉の化学組成は、ハナバチの健康や適応度に関わることが示唆されている。社会性ハナバチではこれらに関わる知見が集まりつつあるが、野生の単独性ハナバチでは未解明な部分が多い。本研究は、リンゴ園で伝統的に用いられてきたマメコバチ, Osmia cornifrons, の複数地点での花資源利用実態を明らかにすることを目的として行なった。国内複数地点(青森県2農園、福島県1農園、長野県1農園、大内宿(福島県))で巣筒を仕掛け、営巣後に回収した。摘出した花粉団子の一部を削り取ってタンパク質濃度と脂質濃度を測定した。発表では、この結果を踏まえて各地点での花資源利用実態を評価する。