The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Presentation information

Oral presentation

[C] Pest management/IPM (institutional)

Fri. Mar 29, 2024 9:00 AM - 11:15 AM Site C (Shirakashi 1)

9:00 AM - 9:15 AM

[C-01] 施設キュウリおよび施設内外雑草に生息するミナミキイロアザミウマの発生消長

◯Kanako Shirotsuka1 (1. RIEAFO)

ミナミキイロアザミウマ(以下、ミナミキイロ)は、キュウリ等の害虫であり、メロン黄化えそウイルスを媒介する。大阪府では、2020年にキュウリで本ウイルスによる黄化えそ病が確認され、ミナミキイロの防除対策の徹底が急務となっている。ミナミキイロは雑草で生息することが報告されており、8月に定植する施設キュウリでは初期発生の原因となる可能性がある。しかし、これらの施設周辺の雑草におけるミナミキイロの発生消長は不明である。そこで、2023年8~10月に、施設内外に優占する広葉雑草のアザミウマ類密度および施設キュウリのアザミウマ類密度を調査した。その結果、施設内外ともにイヌビユが生育しており、アザミウマ優占種はミナミキイロであるとともに、幼虫も確認された。施設外雑草ではミナミキイロがキュウリ定植前の8月上旬から確認され、9月中旬以降に増加した。施設内雑草では、ミナミキイロが8月下旬から発生した。また、定植前の施設外雑草でミナミキイロが多く確認された圃場のキュウリでは、ミナミキイロが8月下旬から発生し、他の圃場と比較して早かった。これらのことから、ミナミキイロは施設外の雑草から施設内のキュウリや雑草に移動し、これらが8月定植の施設キュウリへの被害を早め、雑草でも発生が続くことが示唆された。