10:00 〜 10:15
[C-05] ミヤコカブリダニが好むイチゴ株内の生息部位
イチゴ栽培でハダニ類等の防除対策としてカブリダニ類を放飼している圃場では、その定着状況やハダニ類の発生状況を把握しながら追加防除の要否を判断する必要がある。長崎県で導入が進んでいるミヤコカブリダニ(以下、ミヤコ)はハダニ類の他、花粉を餌として増殖できることから葉裏や花などで定着状況を確認できるが、イチゴ株内におけるミヤコの生息部位に関する報告は少ないため、生産現場において定着状況を正確に把握できていない可能性がある。本調査ではミヤコが好む生息部位を明らかにするために、収穫終了間際の5月、ミヤコを導入している県内のイチゴ13圃場を対象に、①陽光が当たっている花(陽花)、②陽光が当たっていない花(陰花)、③幼果の3つの部位におけるカブリダニ類の生息数を調査した。調査時はハウス外の照度は概ね70,000Lux以上、ハウス内照度は17,000~80,000Lux、ハウス内の気温28~37℃、湿度21~51%の条件であった。その結果、調査した13圃場のうち10圃場でミヤコが確認された。また、部位毎に比較して、ミヤコが幼果で最も多かったのは7圃場、陰花で最も多かったのは3圃場であった。陽花は1圃場を除き、いずれの圃場でも最も生息数が少なかった。