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[C-09] データ駆動型「IPM支援システム」によるIPM技術支援の可能性
Integrated Pest Management(IPM)は,農薬の使用を最小限に抑え,様々な防除法を組み合わせて総合的に有害生物を抑制する技術である.その実現には専門的な知識に基づく生産者への的確な指導が必要となるが,現状では指導者不足の問題もあり,技術指導が効率的に行われているとは言い難い.この問題を解決するために,科学的な知見と生産者のIPMに関する困りごとを結びつけ,生産者を適切な防除資材とその使用方法,栽培管理手法へと誘導するデータ駆動型の「IPM支援システム」(特開2023-026199)を考案した.このシステムでは,生産者がIPMに関連する要素技術と病害虫発生状況を表す一連の設問「IPM技術チェックシート」に回答し,そのデータを蓄積する.次に,そのデータからIPMの成功に対する各要素技術の重要度を数理モデルによって得点化する.生産者に対しては,算出された得点に基づき,必要な要素技術を提案する(IPM技術診断書).このシステムは,回答データの蓄積により提案の精度が増加するという特性を持つ.今回,イチゴのハダニ問題を中心としたIPM支援システムを試作し,生産者や指導者に対する技術支援の可能性を模索した結果を報告する.