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[C-10] 露地ナス栽培における土着天敵誘引用紫色LEDの効果実証栽培試験
土着天敵ヒメハナカメムシ類誘引技術である天敵温存植物と紫色LEDの併用効果を,2023年に露地ナス栽培で実際の生産規模の圃場で検証した。畝幅0.7 m,畝長9 m,畝間1.5 m,15株/畝,4畝,4本仕立,117㎡。試験区:無処理区,花(天敵温存植物)区,LED+花区(反復無)。アザミウマ類の誘殺数はいずれの処理区も9月にかけて増加し,10月以降は減少した。ヒメハナカメムシ類の誘殺数はいずれの処理区も7月に増加し,以降は徐々に減少した。アザミウマ類の合計誘殺数は無処理区,花区,LED+花区の順となった。ヒメハナカメムシ類の合計殺数はLED+花区が最多で,無処理区と花区の約2倍であり,アザミウマ類の誘殺数に対するヒメハナカメムシ類の比もLED+花区が最も高かった。以上の結果から,天敵温存植物と紫色LEDの併用は圃場へのヒメハナカメムシ類の誘引を促進し,その結果,圃場中のアザミウマ類の個体数を抑制することが示された。また,その効果は天敵温存植物単体の設置よりも高かった。なお,アザミウマ類による果実被害に対しては,明確な被害果実が生じず,効果を判断できなかった。また,いずれの試験区においてもツヤアオカメムシ等による被害が生じた。収穫果数に影響は無かった。