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[C-13] おとりトラップによって捕獲されるヒラタアブ類の多発環境推定
ヒラタアブ類の幼虫はアブラムシなど微小害虫の有力な捕食性天敵である。近年、東北地域においてムギ類をリビングマルチ混植することによって、ムギ類のアブラムシに産卵された次世代幼虫がタマネギ上のネギアザミウマやキャベツ上のアブラムシ類の密度を抑制することが示された。一方でムギリビングマルチに集まるヒラタアブの種構成や季節消長など、基本的な知見は不足している。これらを解明し、多発環境を明らかにすることで、土着天敵としてヒラタアブ類幼虫をより効率的に利用することが期待される。そこで本研究では、オオムギにトウモロコシアブラムシを接種したおとりトラップを用いて、2年間の発生状況や種構成を調査し、青色粘着トラップによって捕獲される成虫と比較した。2022年と2023年の4月~11月の調査から、主要種であるホソヒラタアブ、ホソヒメヒラタアブ属の2種、フタホシヒラタアブについて、おとりトラップ、青色粘着トラップ共に、調査地点の明るさを示す開空度が捕獲数に大きく影響することが明らかとなった。開空度に加えて、植生の被覆度や気象条件などの各種環境条件なども追加して解析した結果についても考察する。