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[C-14] 岐阜県の露地エダマメにおけるスワルスキーカブリダニを利用したタバココナジラミ対策
岐阜県の露地エダマメ産地では、2mm目合いの白色防虫ネットを被覆してトンネル栽培を行うことでチョウ目害虫等の被害を防いでいる。しかし、薬剤散布は防虫ネットの上から行っているため、葉裏に寄生するタバココナジラミ(以下、タバコナ)に対しては薬液が十分にかからず、効果が限定的で、多発するとすすや白化莢の被害が生じる。そこで、スワルスキーカブリダニのパック製剤またはボトル製剤を利用したタバコナの防除効果について検討した。試験は2023年6月~8月、試験場内の露地圃場において、パック製剤区、ボトル製剤区および無処理区を設置し、全ての試験区で防虫ネットをトンネル被覆して行った。葉への寄生頭数を経時的に計数した結果、パック製剤区では無処理区と比較して累計幼虫数が約46%に抑制され最も防除効果が高かった。一方、調査後半に土着天敵のキイカブリダニが試験圃場全体に発生し、全試験区でタバコナ幼虫数が減少した。すすや白化莢の被害はいずれの区でも確認されなかった。以上の結果から、土着天敵を含めた天敵類を保護・利用する防除体系を組むことにより、タバコナの被害を低減できる可能性が示唆された。