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[C-15] 緑肥のすき込み処理が黒ダイズエダマメのチョウ目害虫の発生に及ぼす影響
京都府の黒ダイズエダマメでは,栽培初期から収穫期まで,サヤムシガ類,ハスモンヨトウなどのチョウ目害虫が発生し,収量および品質低下の被害が生じている.これらチョウ目害虫に対する防除は,殺虫剤の散布が中心であるが,ハスモンヨトウに対して有効な殺虫剤は少ない状況にある.そのため,生産者からは,殺虫剤以外の省力的な防除技術の確立が求められている.一方で,著者らは,緑肥作物のヘアリーベッチ(以下,ベッチと略記)をダイズ播種前にすき込むことで,食葉性害虫による被害が減少することを見い出した.被害が減った原因は不明なことから,2023年6〜11月にかけて京都府内の黒ダイズエダマメ圃場において,ベッチのすき込み処理によるチョウ目害虫の発生に及ぼす影響について調べた.その結果,ベッチ区ではサヤムシガ類による被害株率を無処理区の約3分の1,ハスモンヨトウの白変葉株数を無処理区の約12分の1にそれぞれ抑え,両試験区間には有意な差が認められた.また,食葉性害虫による被害株率および被害度は無処理区より低く抑えられたが,発生密度に有意差は認められなかった.一方,両試験区間で,チョウ目害虫の幼虫を捕食するゴミムシ類の発生密度に大きな差は見られなかった.