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[C-16] アオゴミムシ亜科の除去の有無および植生管理の有無が飼料用トウモロコシのツマジロクサヨトウ密度に及ぼす影響
演者らは,ツマジロクサヨトウ(以下,ツマジロ)の密度抑制にアオゴミムシ亜科(以下,アオゴミ)が関与することを明らかにしたが,その働きは十分に解明されていない。この点を明らかにするため,飼料用トウモロコシ生育前中期のツマジロ幼虫数とアオゴミ個体数を目的変数,アオゴミ除去の有無と植生管理の有無を説明変数として試験を実施した。約3aの圃場を波板で格子状に4等分し,アオゴミ除去の有無と,植生管理として圃場側縁に植栽したソバの有無を組み合わせた試験区を設置した。アオゴミはトウモロコシの播種前から区全体を波板で囲い,落とし穴トラップで捕獲・除去した。その結果,ソバの有無に関わらず,無除去区のツマジロ幼虫密度は除去区の半分程度で推移した。ただし,アオゴミを除去しなかったソバ有区において,ソバ群落内でアオゴミが多く認められたものの,飼料用トウモロコシ圃場内部の畝間等ではソバ無区とその個体数に差はなく,ツマジロ幼虫密度も同等であった。以上から,アオゴミがツマジロの天敵として機能し,その保護にはソバ等の植生管理が有効であることが示唆されたが,アオゴミを飼料用トウモロコシ圃場内部にまで引き込む植栽方法は今後の課題である。