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[C-22] トマトキバガとジャガイモガのマルチプレックスPCRによる識別法の開発
トマトキバガは南米原産で、世界各地に分布を拡大しているナス科植物の重要害虫である。我が国では、2021年に熊本県における新規発生が報告されて以降、分布を拡大しており、一部の県からはトマト等における被害が報告されている。産地における本種による被害の拡大を防ぐためには、圃場で発見された種を迅速に同定し、侵入早期の低密度段階で適切な防除を行う必要がある。一般的に、キバガ科の同定は成虫の形態的特徴に基づいて行うが、圃場では本種と形態的に類似した既発生種のジャガイモガも発生する。また、同定困難な幼虫のみが発見される場合もある。そこで、両種を迅速かつステージに関係なく識別することを目的として、マルチプレックスPCRによる識別法の開発を試みた。ミトコンドリアDNAのCOI領域を対象とし、国内外の塩基配列を比較分析した上で、遺伝子型に影響を受けず両種を容易に識別可能な4種類のプライマーを設計した。幼虫、蛹及び成虫を材料として検証した結果、各発育ステージにおいて、両種を明瞭に識別できるバンドが増幅され、迅速かつ正確に識別できることを確認した。