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[C-26] 茨城県のイネカメムシ成虫に対する各種薬剤の残効性
近年、イネカメムシは茨城県をはじめ全国的に発生が増加傾向にある。そこで本種に対する各種薬剤の残効性を調査した。実用濃度に希釈した薬剤を出穂後のワグネルポットのイネに散布し、処理0、3、7、10日後にその穂を採取して、県内水田から採集した成虫に与えた。その結果、7月採取個体群では、ジノテフラン液剤、エチプロール水和剤、スルホキサフロル水和剤、MEP乳剤で処理7日後の補正死亡率が100%となり、高い残効性が確認された。8月下旬~9月上旬採取個体群では、エチプロール水和剤が処理10日後において補正死亡率100%となり、高い残効性が確認された。一方でエトフェンプロックス乳剤は、処理7、10日後で補正死亡率は低く、残効性は低いと考えられる。採取時期によって結果が異なった要因は、気象条件による薬剤の分解速度の違いや、7月採取個体群は越冬世代成虫であったのに対して8月下旬~9月上旬採取個体群は第一世代成虫がメインであり、羽化直後の成虫が供試されたこと等が考えられる。過去に行った虫体浸漬法による調査では多くの薬剤が高い感受性を示しており、直接本種に薬剤がかかることで高い殺虫効果が期待されるが、穂における残効性は薬剤によって差が生じた。