日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[C] 害虫管理・IPM(水田)

2024年3月30日(土) 09:00 〜 10:30 C会場 (白橿1)

10:15 〜 10:30

[C-32] 水面散布することでトビイロウンカ防除に有効な油剤の開発1

◯本田 善之1、東浦 祥光1 (1. 山口県農林総合技術センター)

トビイロウンカは水稲の重要害虫で、山口県では2020年に坪枯が多発した. その要因として薬剤の抵抗性発達があげられる. そこで抵抗性が発達しない水面散布の油剤あるいは油剤+展着剤の開発試験を行った. 試験は2023年6月~10月に防府市上がり熊の2ほ場(品種:きぬむすめ,6/12移植、1区1反復.1区3.6m×20m1区3か所調査)で実施. 試験区は、①なたね油, ②なたね油+ドライバー(展着剤),③パーム油,④パーム油+ドライバー,⑤なげこみトレボン,⑥トレボンEW(1000倍150L/10a 電動散布機で散布),⑦無処理区とした. 各区とも9月7日(出穂12日後)に供試油剤50ml/aを調査地点に水面散布した. ドライバーは1000倍希釈とした。トビイロウンカは7月28日,31日,8月4日に15頭/区を調査地点周辺に放虫した. 散布5日後に④パーム油+ドライバーで⑤なげこみトレボンと同等の密度低下が見られた. 次いで③パーム油,②なたね油+ドライバーの順で密度低下が見られた. ①なたね油の密度抑制効果は低かった. 散布18日後に効果が高かったのは④パーム油+ドライバー,⑤なげこみトレボンの順であった. 今後は効果の高かった④パーム油+ドライバーの再検証を行う.