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[C-33] 茶園におけるナシシロナガカイガラムシの発生消長及び薬剤感受性の検討
2022年5月、埼玉県内の数か所の茶園においてナシシロナガカイガラムシによる坪枯れが発生した。また同年9月には埼玉県茶業研究所内の茶園でも同様の被害が発生した。近年チャ栽培において、本種は甚大な被害を引き起こす害虫とは認識されておらず、茶園での発生消長や防除に関する知見が乏しい。そこで本種の防除適期と考えられる歩行幼虫の発生ピークを調査するとともに茶の「カイガラムシ類」に登録のある薬剤に対する薬剤感受性を検討した。発生消長調査の結果、5月から11月まで歩行幼虫の発生が確認され、発生ピークは6月上~中旬、8月上~中旬となった。このことから歩行幼虫は数か月にわたって発生していることが明らかとなった。またフェンピロキシメート・ブプロフェジン水和剤1000倍液(商品名:アプロードエースフロアブル)の切り枝に対する散布試験の結果、幼虫の補正死亡率は70%以上であり、効果があると考えられる。一方、卵および雌成虫に対する効果は不明であり、ほ場試験も含めて今後検討する必要がある。