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[C-45] 空中超音波フェーズドアレイを用いたアリの協調運搬への定量的な介入
一部のアリ種は、複数個体で一つの物体を運搬する協調運搬という行動をする。この協調運搬では、運搬に参加する個体が増えると、運搬の速度が増加するという性質がある。この性質は、運搬者が負荷を分配することで、個々の負担が軽減されることを示唆している。しかしどの個体がどれだけの負荷を担っているかは明らかではない。そこで、空中超音波フェーズドアレイ(AUPA)を用いて協調運搬中に介入する実験を行った。AUPAは遠隔に触感を提示するなど、主にハプティクス分野で使用されてきた装置で、複数の超音波トランスデューサーにより1cm四方の範囲に1〜2g重の力を加えることができる。運搬中の各個体が担う負荷を推定するため、AUPAを使用して運搬中にエサの重さを擬似的に変化させる実験を行った。