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[D-01] アメリカミズアブを用いた酒粕処理モデルの構築
アメリカミズアブ(BSF)の幼虫は多様な有機物の摂食が可能であり, タンパク質と脂質を豊富に溜め込むことから食品廃棄物処理の分野で注目が集まっている. 我々の研究チームではBSFを用いた副産物処理モデルの構築を目的に, BSFに酒粕, オカラ, 米糠を給餌した. 全ての副産物でBSFの生育を確認した一方, 酒粕では実験期間内に最大重量及び前蛹化, 羽化を確認出来なかった. 本研究では酒粕を与えたBSFの最終重量及び成長速度の調査を目的にBSFに酒粕を給餌し, ニワトリの餌を与えたBSFの生育と比較を行った. 酒粕を与えたBSFの10%が前蛹になるまでに経過した時間はニワトリの餌を与えた系の2倍以上であり, 酒粕を与えたBSFの生育が遅いことを確認した. BSFの最大重量は酒粕で0.22 g/匹, ニワトリの餌で0.27g/匹であり, 最大重量にも差が確認された. 酒粕を与えたBSFの生育が遅くなったメカニズムとしては, 酒粕に含まれるアルコールによって酒粕及びBSF腸内微生物の繁殖が抑制され, 基質分解の阻害が起こったと考える. 発表では生育についての詳細な考察及び基質とBSFの体組成の影響について発表予定である.