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[D-05] ミズアブミールの加熱処理がゼブラフィッシュの摂餌行動と発育に及ぼす影響
ミズアブ(Hermetia illucens)は環境負荷が少ない方法で生産できる飼料用昆虫であり、魚粉代替飼料源として注目されている。これまでにゼブラフィッシュ(Danio rerio)や養殖魚を対象にミズアブ配合餌の有効性が研究されているが、標準的なミズアブミールの加工方法は確立されておらず、加熱などの前処理の有無がミズアブ配合餌の嗜好性に与える影響は不明である。そこで本研究では、ミズアブミール加工時の加熱処理の有無が摂餌行動および発育効率に与える影響を明らかにすることを目的とし、ゼブラフィッシュを対象に行動試験と肥育試験を行った。その結果、魚粉配合飼料と比較し、非加熱の凍結乾燥・脱脂ミズアブミール(非加熱ミズアブミール)の摂餌性が劣ることが分かった。一方、加熱処理後に凍結乾燥・脱脂したミズアブミール(加熱処理ミズアブミール)は非加熱のものと比べ優れた摂餌性を示し、魚粉配合飼料と同程度の摂餌性であった。さらに60日間の摂餌試験においても、加熱処理ミズアブミールは魚粉配合飼料と同程度の発育効率を示した一方で、非加熱ミズアブミールを摂取した群では発育効率が有意に低くなった。以上の結果は、ミズアブミール加工時の加熱処理は摂餌性を担保するために必要なプロセスであることを示唆している。