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[D-12] ハモグリミドリヒメコバチのトマトキバガに対する捕食寄生行動
2021年に国内で初確認されたトマトキバガは、海外では多くの天敵が報告され、捕食性天敵を中心とした生物的防除技術が開発されている。このうち、ハモグリミドリヒメコバチは原産地と欧州の両地域でトマトキバガへの寄生が確認されている種である。また、国内では“ミドリヒメ”として施設野菜のハモグリバエ類の天敵として市販されている。そこで、ミドリヒメを用いて、トマトキバガに対する捕食寄生行動を室内試験により観察した。ミドリヒメは潜葉しているトマトキバガに対して、ドラミング、タッピングなどの寄生行動を示すことが観察された。しかしながら、寄生率は海外での報告と同様に低かった。一方、ホストフィーディングによるものと思われるトマトキバガ幼虫の死亡個体が確認された。寄生率よりも高い頻度で確認されたが、ミドリヒメ個体間での差が大きかった。ミドリヒメ単独での天敵としての密度抑制効果は低いと考えられるが、トマトキバガに有効な天敵であるタバコカスミカメを補完する天敵としての利用が期待される。本研究は生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」(JPJ007097)の支援を受けて行った。