[D] Biological control, parasitism, predation

[D-15] 促成栽培イチゴにおける微小害虫と天敵の動態

◯Yusuke Nishi¹ (1. Okayama Pref.)

促成栽培イチゴでは、アザミウマ類やハダニ類等の微小害虫を対象に、天敵であるカブリダニ類やアカメガシワクダアザミウマの利用が普及しつつある。しかし、イチゴほ場内における天敵や害虫の動態を把握しきれていないため、防除効果が不安定になる例が散見される。そこで、促成栽培イチゴほ場におけるヒラズハナアザミウマと天敵類（カブリダニ類とアカメガシワクダアザミウマ）の生息域を把握するため、2019年～2021年の1～5月にかけて、月に1回、①ファイトトラップ調査（イチゴのクラウン周囲、マルチ下、高設栽培棚の脚部に設置）または、②イチゴ株の分解調査（葉、果実、果軸、花、クラウンに分解）を行い、各所に生息する各種の個体数を計数した。①の調査結果から、ミヤコカブリダニは高設栽培棚の脚部で確認され、高設棚を昇降していると推察された。②の調査結果から、ヒラズハナアザミウマは、果実で最も多く確認され、次いで花とクラウンで確認された。アカメガシワクダアザミウマは、イチゴの果実とクラウンで最も多く確認され、次いで花で確認された。本講演では、これらの知見に基づき、促成栽培イチゴにおける安定的な天敵の利用方法について考察する。