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[D-19] スワルスキーカブリダニとリモニカスカブリダニの併用はアザミウマ類防除効果を高めるか? 室内および圃場試験による考察
放飼増強法における複数種の天敵利用については論争が続いてきた。天敵1種−害虫1種の単純な系と比較して、同じ餌資源をめぐる競争や、天敵種間の直接的な相互作用の検証が必要である。本研究では、スワルスキーカブリダニ(以下、スワ)およびリモニカスカブリダニ(以下、リモ)の2種間の相互作用について、アザミウマ類を餌種とした室内実験および生産者圃場における動態調査によって検証した。まず、室内試験で餌密度を変えて、カブリダニが単独でいたとき、同種2個体のとき、別種1個体ずつのときの分散率を比較したところ、リモは餌密度にかかわらず分散しやすい傾向があった。圃場試験でも、ほとんどの場合両種の混在は確認できなかった。これらのことから、異なる生態的特性を持つ両種の併用による種間相互作用の悪影響は認められず、防除効果を高めることが期待できると考えられた。