The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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Oral presentation

[D] Biological control, parasitism, predation

Fri. Mar 29, 2024 1:30 PM - 5:00 PM Site D (Shirakashi 2)

4:00 PM - 4:15 PM

[D-20] 多食性捕食者タバコカスミカメによるタバココナジラミとミナミキイロアザミウマの同時防除は可能か?

◯Eizi Yano1 (1. Nara)

多食性捕食者タバコカスミカメは、コナジラミ類、アザミウマ類、ハモグリバエ類、ハダニ類、チョウ目卵など、多くの種類の害虫を捕食する。ナスやキュウリはこれらの多種類の害虫に加害されるが、タバコカスミカメを利用すればこれらの害虫が同時に防除できる可能性が考えられる。しかし複数種の害虫の同時防除には多くの要因が影響する。特に本種の複数種の害虫間の選好性が防除効果に影響すると思われる。また選好性には、与える両餌種の個体数比率、事前の餌の捕食経験、餌種の発育ステージなどが影響すると考えられた。そこでこれらの要因を変えて、室内実験によりタバコカスミカメ雌成虫のタバココナジラミ幼虫とミナミキイロアザミウマ幼虫間の選好性を評価した。その結果、タバコカスミカメは餌種の個体数比率、事前の捕食経験に影響されず、つねにミナミキイロアザミウマを選好したが、コナジラミ若齢幼虫を与えた場合、成熟幼虫を与えた場合に比べ、コナジラミ幼虫に対する選好性がやや高まることが分かった。ただ、同時防除の可能性については、害虫の増殖能力や捕食者の捕食能力、増殖能力など個体群動態パラメーターが影響すると思われる。