16:30 〜 16:45
[D-22] クビアカツヤカミキリ穿入材に対するサビマダラオオホソカタムシ卵放飼試験
捕食寄生者サビマダラオオホソカタムシのクビアカツヤカミキリに対する天敵としての有効性を明らかにするため、クビアカ穿入材に対するホソカタムシ卵放飼試験を行った。まず網袋に入れた卵をクビアカ前蛹および蛹のモモ穿入枝表面へ高密度放飼(3卵/cm2)、同じく枝表面へ低密度放飼(0.3卵/cm2)、およびビニールチューブに入れた卵を脱出予定孔内に放飼(300卵/孔)の3通りの試験を行った。剥皮割材調査の結果、材内のクビアカ被寄生個体および無寄生個体の合計値から計算した寄生率はそれぞれ80%(樹皮下幼虫含む)、48%、および70.6%であった。次にクビアカ孵化幼虫をサクラ枝に1個体接種した後実験室内で保持し、幼虫による排糞孔からのフラス排出を確認した時点でホソカタムシ卵を枝表面に放飼、もしくはピペットチップ(10ml)に入れて排糞孔に挿入(いずれも3卵/cm2)する方法で放飼した。剥皮調査の結果、枝表面への放飼では50%、ピペットチップによる放飼では67%の幼虫が寄生されていた。以上の結果から、ホソカタムシ卵放飼によってクビアカ穿入個体の半数以上を防除可能であることが明らかになった。