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[D-27] 宮城県の子実とうもろこし栽培におけるアワノメイガに対する殺虫剤防除の効果
子実とうもろこし栽培において,アワノメイガはその被害が収量低下の要因となるほか,食害部位からかび毒産生菌が侵入しやすくなることが知られており,重要害虫となっている.2022年に宮城県大崎市において ,殺虫剤を散布せずに子実とうもろこしを栽培したところ,ほぼすべての雌穂がアワノメイガによる食害を受けた ことから,防除の必要があることが判明したものの,宮城県におけるアワノメイガの発生消長はこれまで報告されておらず,農薬散布の適期は不明であった.この結果を受け,2023年にはフェロモントラップ設置による発生消長の把握およびクロラントラニリプロール水和剤のドローン散布による効果検証を実施した.その結果,宮城県においてアワノメイガは年間2回発生する可能性が示唆された.また,クロラントラニリプロール水和剤の散布はアワノメイガに対し高い効果を示し,食害率は前年に比べ大幅に低下した.折り取った雌穂についてカビ毒分析を実施したところ,いずれのサンプルも飼料用としての基準値を超えていないことが明らかとなった.