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[D-33] 粘着トラップに捕殺されたサシバエの機械学習を用いたモニタリング
サシバエStomoxys calcitransは、牛白血病ウイルスを媒介する重要な害虫であり、国内では生物防除が検討されている。防除効果は、粘着トラップによるモニタリング結果が用いられるが、トラップにはサシバエ以外の昆虫が捕殺されることから、手作業による同定が必要である。 一方、画像認識技術や機械学習の進歩により、写真から同定が可能となってきている。本研究では、粘着トラップに捕殺されたサシバエを他の昆虫類から区別して同定し、個体数を自動的にカウントすることを目的とする。個々のサシバエを画面全体に高解像度で撮影した画像及び、粘着トラップ全体を1枚で撮影した画像を用いた。機械学習には、YOLOv5とYOLOv8、SAHIを用いた。YOLOとSAHIを用いたところ、高い同定精度が得られた。さらに、顕微鏡を用いた同定結果と、推測された個体数の間には高い相関が見られ、誤同定もほとんど見られなかった。このことから、サシバエの体数を自動的にカウントすることが可能であると考えられた。