[D] Physiology, Biochemistry, Molecular biology

[D-36] シロイチモジヨトウから発見されたチョウ目特異的な新規Asteroidファミリー遺伝子

◯Keisuke Nagamine¹, Takumi Kayukawa¹, Yoshiaki Tanaka¹ (1. NARO)

Asteroidの相同タンパク質であるRNAi efficiency–related nuclease（REase）は、チョウ目特異的に存在するRNAi阻害物質としてアワノメイガから同定された。REaseはAsteroidと同様に、Asteroidファミリータンパク質に特徴的なPINドメインを含む。我々は、シロイチモジヨトウのゲノムから、REaseのホモログとして新規のAsteroidファミリータンパク質をコードする遺伝子、PIN domain-containing protein（PCP）を発見した。データベース検索と系統解析の結果、Asteroidは昆虫に広く保存されているのに対し、REaseとPCPはチョウ目のみが保有することが示された。また、チョウ目昆虫のゲノムを解析した結果、すべての種がREaseとPCPの両方を持つとは限らず、片方または両方の遺伝子を欠く種があることが明らかになった。例えば、シロイチモジヨトウは両方の遺伝子を持ち、アワノメイガはPCPを欠き、カイコはどちらも保有していなかった。本発表では、今回得られた解析の結果と先行研究を比較しつつ、Asteroidファミリータンパク質のRNAiに対する機能について議論する。