日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

口頭発表

[E] 寄主選択・栄養学・耐虫性・飼育法

2024年3月29日(金) 16:45 〜 17:00 E会場 (小会議室1)

16:45 〜 17:00

[E-14] フタスジヒメハムシの飼育法について

◯渋谷 和樹1 (1. 農研機構植防研)

フタスジヒメハムシMedythia nigrobilineataはダイズの害虫であり、成虫が葉、子葉、茎、莢を、幼虫が根粒を加害することが知られている。幼虫の餌が根粒であることから全成育ステージを通しての飼育が難しく、これまでに本種の継代飼育法は確立されていなかった。本講演ではダイズ根粒を用いない本種の飼育法について報告する。飼育に必要なものは十分給水させたバーミキュライトとダイズ子葉である。これらをフタスジヒメハムシ成虫と一緒に適当な容器に入れると、成虫はバーミキュライト上に産卵する。孵化した幼虫は体の大部分を子葉内部に侵入させて、内容物を食べながら成長する。終齢幼虫に至ると子葉から脱出し、バーミキュライト内で蛹化、羽化する。羽化成虫もまたダイズ子葉を餌として交尾、産卵する。演者はこの飼育法で約4年間、野外個体群の追加なしで本種を継代することに成功している。