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[F-02] 西表島のマングローブでのハラナガノメイガ類(鱗翅目:ツトガ科)の発生消長
南西諸島では、マングローブ環境に固有のハラナガノメイガ類(鱗翅目:ツトガ科:ヒゲナガノメイガ亜科)がいくつか見られる。その中には、鱗翅目の中で唯一、幼虫が紅藻類を摂食するという特異な生態をもったキオビハラナガノメイガ Tatobotys aurantialis などが含まれる。しかし、ハラナガノメイガ類の成虫の発生消長や幼虫の生態に関する情報は日本のマングローブではほとんど得られていない。南西諸島におけるハラナガノメイガ類の生態について全貌を明らかにすることの第一歩として、成虫の種構成や発生消長を調査した結果を報告する。具体的には、西表島船浦のマングローブ林内にルートを設定し、2022年7月から2023年12月にかけて月2~4回の見つけ採り調査を行った。得られたハラナガノメイガ類は、ウスグロハラナガノメイガ T. janapalis・キオビハラナガノメイガ・オオウスグロハラナガノメイガ Hymenoptychis sordida であった。オオウスグロハラナガノメイガについては日本から二例目・八重山諸島から初記録の可能性がある。日本における、各種の幼虫の生態には不明な点が多く、それらの成虫の発生消長についての情報は幼虫の時期や利用環境を類推するときに役に立つはずである。